神谷町から桜木町(横浜)

Case Study 『日毎に敵と懶惰に戦う』 さんの場合

地震時最寄駅: 神谷町
帰宅・待機最寄駅:桜木町
帰宅までの時間:約9時間
距離:約30Km(徒歩 神谷町-尻手 約17Km)

『日毎に敵と懶惰に戦う』 地震にあって、東京から帰宅難民日記

尻手付近まで徒歩約17Km、車に乗せてもらって桜木町の自宅まで約12Km。計約30Kmを約9時間かけて帰宅されています。

Googlemapを参照しながら、神谷町から横浜方面へ歩いた経路や、ポイントとなる場所の到達時間、詳細なタイムログを残されている非常に貴重な資料です。

都心から横浜方面に向かうと、多くの人、車、バイクなどが交錯するようで、思わぬ事故にもつながりかねない場面もあり、注意が必要です。

記事中に印象に残ったのは、日産の販売店のエピソードです。これは社風でしょうか、それともここの店長の判断だったのでしょうか、いずれにしてもすばらしい対応だったと思います。

途中、池上にある日産の販売店が素晴らしかった。ロビーを解放し、椅子を沢山用意して、暖かくて明るいところで休憩できる。飲み物も提供し、トイレももちろん提供してくれている。店員さんが、みんな笑顔で、頑張ってくださいね、と送り出してくれる。素晴らし過ぎるよ日産。

前述のタイムログを転載させていただます。

14:46 神谷町駅
地下鉄がホームに到着して下車。ホームに降り、扉が閉まったところで大きなブザー音。外に出ると、地面が大きく揺れていた
14:56〜15:40 東京タワー
打ち合わせ中にも余震が続き、すぐに終了

16:00〜17:30 国立新美術館
しばらく待てば電車が動くと思っていたため、国立新美術館でシュルリアリスム展を鑑賞。1階ロビーには大勢の人。電車が動く気配が無いため、歩くことを決意してiPhoneでルート検索。五反田までとにかく歩き、そこから国道1号線を歩くことを決意
17:45 広尾駅前
広尾駅前は電車が止まっているために動くに動けない人が大勢。バス停でバスを待つ人がそれなりにいる状況
17:48 天現寺橋交差点手前
交差点の歩道橋を登っていく人が大勢。目黒などに向かって歩いている人が多い
17:52 恵比寿三丁目交差点
渋谷駅に向かうにはどう歩けば良いのでしょうか、と、60くらいの女性に聞かれる
17:56 トンネル手前
同じ方向に歩く人多数。ヘルメットをかぶっているひとも多い。ここから先、自然教育園の脇の道はトンネルの車道。脇に歩道はあるのだが、先まで続いていると容易に予見できない場所にもかかわらず(自分は自転車で通る野で知っていた)、みな迷わず進んでいく。知っているのか、廻りについて行っているのか
18:10 目黒駅との分かれ道
目黒駅方面に歩いていく人が多い
18:15 上大崎三丁目付近
五反田に向かうとtweetしてからtwitterをしばらくチェックしていなかったが、この時、DMで、同方向の人から一緒に帰りませんかと入っているのを確認。返信する
18:20〜18:30 ローソン100
五反田あたりで電車が動いていれば、との思いもあったが、ほぼこの日のうちの復旧は難しいようだと、twitterの情報で判断。水と食料補給。パンやおにぎりはほぼ売り切れ、レジの長い列
18:40 大崎郵便局前
DMをやり取りした人と一緒に歩くことにし、五反田駅で待ち合わせたが、TOCが目の前に見えて、iPhoneの地図を見て行きすぎたことに気がつく。一旦戻る
19:00〜20:00 エクセシオールカフェ
五反田駅近くで待ち合わせられる場所を探す。駅前のアトレは臨時休業、居酒屋はやっている店が多い。エクセシオールカフェは満員だが入れ替えはそれなりにあり、ここでしばらく休憩、待ち合わせ。無事に合流。携帯が通じないため、twitterが無ければ会えなかった
20:05 五反田発
歩き始めると、国道1号線は車道も大渋滞だが歩道も大渋滞。自分のペースでは歩けない感じ
20:10 中原街道分岐
歩道橋を渡り、ここからは道の左側を歩く。この先、道の右側よりも、左側を歩いている人が遥かに多い印象
戸越銀座
おしゃべりしながら歩くと気がまぎれる。歩道は狭いところもあり、2人で並んで歩くと、後ろの人が詰まる。車道に出て歩く人もいる。後ろからくるオートバイに煽られているのを何度か見る
馬込
環状7号線は北西方向に向かう車が大渋滞、南東方面はそれほどでもない。国道1号線は脇道からの合流が多く、のろのろでぜんぜん動いていない。五反田から川崎行きのバスはぎゅうぎゅう詰め、バス停にも行列、しかし、バスを何台も追い抜く
21:20〜21:40 日産プリンス東京池上店
ここまでも、トイレのご利用どうぞという施設は何件か見たが、この日産の販売店はロビーを開放し、椅子が沢山あり、飲み物も提供し、トイレも提供し、店員さんが何人もいて暖かく迎えて、送り出していた。外には喫煙所もあった。素晴らしい。休憩させて貰い、家族と連絡を取ろうとするが、携帯通じず
22:20 多摩川大橋
多摩川が近づくにつれて、同じ方向に歩く人もずいぶん少なくなってくる。歩いている人はみんな元気。多摩川を渡るとき、下流方向に炎で空が明るいのが見えた。どこだかはわからず
神奈川県に入る
多摩川大橋までは完全に徒歩が早かったが、神奈川県内に入ると、車と人の速度が同じくらい、あるいは車がやや早いくらいになる。
小向東芝町あたり
女性から突然声を掛けられる。どこに行くの?と聞かれたので横浜まで、と答えると、その人をここまで乗せてくれた車の人が、横浜まで乗せてくれると言う。まだそれなりに元気だったので、もっと疲れている人を乗せてあげてください、と一旦断り、礼を言う
22:40 府中街道
螺旋階段の歩道橋を渡る。歩道橋を渡るのがかなり億劫だと思うようになる。広い道で大勢同じ方向に歩いているのは安心だが、そのための歩きにくさや、歩道橋などは少しストレスになる
22:55 南部市場北あたり
このまま国道1号線を歩いていくと寺尾付近で坂道があり暗いので、鶴見の手前で国道15号線に抜けることを考えていた。その地点までなかなか辿りつかず、徐々に疲れてくる
23:00 尻手手前
声を掛けてくれた車と、ほぼ同じペースで進んでいることがわかる。疲れてきており、折角の御好意なのだから、お世話になろうと同行者。乗せていただく。シカゴ出身の女性で、磯子に帰るところと聞く
23:35 車中
やはり横浜に向かってあるいていた米国人男性にも声をかけ、4人の車中になる。車のペースは、歩行者とほぼ変わらず。まだ歩いている人も多い。ラジオはInterFMを聞いている。
携帯電話てメールをチェックすると大量のメールをようやく受信。ファミリー契約をしている両親と妹の、安否確認のやりとりが入っていた。ここまで連絡が取れなかったが、さっそく安否確認の登録をして無事を投稿する。ようやくの無事確認。
23:30 東寺尾中台
ペースは引き続き、歩行者とあまり変わらず。
メールのやりとりによれば、母と父はそれぞれ実家至近なのでそれぞれ徒歩と車ですぐに帰宅。実家同居の妹は大崎勤務のため帰宅できず、本人は宿泊を決意。父親が車で迎えに向かったが、携帯も通じないし道路も渋滞しているから引き返してもらって!という妹のメッセージが。しかし、一旦家を出た父親は連絡がとれず(携帯の扱いが不慣れなもので…)
もともと目黒区在住のため、裏道に詳しい父親は大渋滞を避けて(案外、幹線道路以外は空いていたらしい)大崎付近に到達。たまたま携帯電話が通じて妹を収容し、日が変わるころには帰宅できたそうな。
0:00 新子安付近
このあたりで日が変わる。ラジオからは電車の運転状況が聞こえてくるが、英語で『○○線』と言った後でやや間があって『動いている』とか『止まっている』とか言うので、東京裁判の判決みたいだな、と思ったが、口には出さず
国道1号線分岐
横浜新道方向がより混雑しており、横浜駅、15号線に向かう方向は空いていて、スムーズに流れだす
0:50 桜木町駅付近
お礼を言っておろしていただく。ここから歩いて帰宅。親切な方に乗せていただき、本当に助かった

神谷町から桜木町への徒歩ルート

東京タワーや国立新美術館に寄られているので若干距離は増えています。
上記、日産プリンス東京池上店もチェックポイントとしてマークしています。

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