早稲田から池袋で駅寝

Case Study 『思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々』 さんの場合

地震時最寄駅: 早稲田大学近辺
帰宅・待機最寄駅:池袋
帰宅までの時間:
距離:

初体験の「帰宅困難者」ではあったが、野宿困難者ではなかった

普段から野宿を趣味?としている方で、帰宅できなくてもよいという前提で職場の早稲田近辺から池袋の駅構内で一夜を明かされています。

野宿慣れ・・しているので、路地を含めて地理感は全く問題なく、家族の安全も確かめられたので急いで帰る必要もない。
この地震で街がどのようになっているのをつぶさに観察していらっしゃいます。

どうせ帰れないし、家は無事だと知っていて25kmほど歩いて直ちに帰宅するほどの切羽詰った状況でもないからと開き直り、代わりに仕事に傾倒。

22時30分(中略)
この頃から地下鉄が徐々に運転再開し始めて、でもJRの復旧は明日に、とも知り、帰宅困難者のために無料開放している学校や百貨店や公共施設もこれで少しは空くかなあ、と少しは楽観視できるようになった。

23時48分
仕事がそろそろ尽きたので、まあ着の身着のままでも池袋駅で横になって駅寝できればいいな、せっかくだからいろいろな場所の様子を観に行くか、と決めて会社を辞す。
(中略)
ひとまず近所のコンビニを数軒巡ると、やはり生の食べ物はきれいさっぱりなくなっていたが、菓子類やカップ麺の在庫の補充は進んでいるところもあった。
鉄道の運行再開も増えてきたので、この時間に歩く人はそのぶん減ってきたが、それでも普段の夜に比べるとこの時間帯は週末でもほとんど人通りはない道路なのになあ、という箇所でも数人で固まって歩く会社帰りの人々を頻繁に見かけるのは珍しい光景。

0時3分
ひとまず帰宅困難者の開放場所のひとつである、会社からも近い早稲田大学・大隈講堂を観に行くと、座席はほぼ満員で、すでに寝ている人もちらほら。
そこで初めてNHKの地震直後と現在の被災地のニュース映像を大画面で観た。そのときは火災が起こっている様子をよく映していたか。しばらく呆然としたあと、なんだこれ、とすぐには現実のできごととして受け入れ難い画ばかりだった。

早稲田大学・大隈講堂なら仮眠もとれるし、スクリーンでニュースなども随時確認できたということです。
貴重な情報です。

1時42分
池袋駅構内に入り、昨夜23時前から運転再開してまだ運行していた西武鉄道の改札口を観察してから、JR改札周辺をぐるっと一周してみる。
あちこちで壁際に新聞紙やJRの旅行商品のパンフレットを敷いて座ったり横になったりしている人がずらずら並び、数百人規模。まあなかにはアルコール類を持ち込んでプチ宴会になっているところもあったが。夏場の台風によって鉄道が一時不通になったときにこういう場面はたまにあるが、しかし池袋歴30年の僕からすると規模的にはこの帰宅難民? ぶりは過去最大だった。

2時30分
東武百貨店の入口近くで空いた場所を発見し、僕もそこで横になって駅寝態勢に。久々に、日常の通勤時なので当たり前だが寝袋やツェルトも持っていない状態での想定外の着の身着のまま野宿だなあ、と思いながら就寝。床は冷たくて腰が冷えるのが気になるが、微風のある外よりも断然暖かいのでそこは助かる。偶然にもこのときは(遅まきで今冬から導入した)ユニクロのヒートテックの上下を着ていたので、それも少し助かったか。

6時5分
東武東上線の運転再開が案内され、人の流れが変わるのを見届ける。僕はこのさいだから、ともう少し池袋駅とその周辺を観察するためにまだ残る。

トイレに行くついでに再び駅構内をぐるっと巡ると、どこも大型店舗の新規開店・セールなどの行列待ち後や球場の試合終了後や競馬場の大レース後のような紙類の敷き物や菓子・空き缶ゴミの散乱ぶりで、普段から定宿にしている? ホームレスもそこまで節度なく散らかさないので、清掃する職員もいつも以上に大変そう。ちなみに僕は自分が使ったぶんは自分で片付けた。つまり、そこで寝ていた数百人は駅寝のマナーがなっていないということになるが(雨風がしのげる場所があるだけ幸せに思うべし)、まあそういうことに慣れていない人たちだから、ある程度は仕方ないか。

非常時ですが、ゴミは片付けていってほしいですね。。

今回の経験を踏まえて今後、野宿という行為をはじめとする不測の事態で活かすべきサバイバル技術への一般的な理解は深まるのかなあ、とその散乱ぶりを見ながら思った。
地上に上がると、松屋・吉野家・マクドナルドのような馴染みの飲食店はほとんど臨時休業。だが、富士そばだけはなぜか開いていて、偶然にそばの在庫があったのだろうか。店内で行列ができていて足の踏み場がほとんどないくらいに混んでいた。そりゃあ、冷え込む朝に温かいそばは効果絶大だからなあ。

食事を提供しているのが富士そばだけだったというのが印象的です。
東京では馴染み深いチェーン店で、安くて旨いので私もよく行きます。
会社や店主のポリシーは、こういう時にこそよくわかりますね。

早稲田から池袋までの徒歩ルート

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